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加齢と高血圧(2023年12月)

 血圧とは動脈内の血液の圧力のことです。心臓が収縮して血液を全身に送り出す収縮期血圧が140mmHg以上、心臓が拡張して血液が戻ってくる時の拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧といいます。

 加齢により血管の弾力が低下し血流が悪くなると、心臓はより強い力で血液を送り出す必要があるため収縮期血圧が高くなってきます。高齢者の約3分の2は血圧が高いといわれています。血圧が高いまま放っておくと、心臓に負担がかかり心臓の筋肉が厚くなる心肥大や、脳の血管が破けてしまう脳出血の他、腎障害や網膜症など全身に影響をきたします。

血圧は朝から日中が高く夜間に低くなりますが、高齢者はこのリズムがくるい夜間高血圧や早朝高血圧があらわれることが多く、この状態を知らずに放置しておくと脳卒中や心臓病のリスクが高まります。

 血圧の一日のリズムを保つためには、睡眠・運動・低塩などを習慣化するとともに、冬場の入浴やトイレなどの急激な温度変化にも気をつけましょう。起床時は急激に起き上がらずストレッチなどをしてゆっくりと身体の活動準備をすることを心がけてください。野菜・果物・魚をバランスよく食べ、塩分の排出に役立つカリウムやカルシウムを積極的に摂りましょう。脱水も血圧が高い要因になるため、喉が渇いていなくてもこまめに水分を摂ることも大切です。ご自宅で血圧測定をし、収縮期血圧135mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上が1週間程度続く場合は、かかりつけ医または循環器科を受診し、ご相談してください。内服が必要なタイプの方は、早めに飲み始めた方が血圧の安定も早く、動脈硬化の促進予防につながります。

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