健康の維持こんにちは保健師です!
古くて新しい病気・肺結核(2024年3月)
結核は、結核菌によって人から人にくしゃみなどによる飛沫感染でうつる慢性感染症です。昭和20年代頃までは、国民病と言われるほど流行していましたが、現在でも、全国では約1万人、東京都でも1千500人が毎年新たに患者報告がされています。人口10万人に対し、アメリカでは2.4%、ドイツでは5.0%に対し、日本は9.2%と高い罹患率で、誰でも罹る可能性があります。
結核菌の潜伏期間は半年から2年で、感染した人が発病するのは1割から2割程度です。主に肺の内部で増えるため、咳・痰・発熱・呼吸困難などの風邪のような症状や、血痰・食欲低下・体重減少などが現れることもあります。また、肺だけでなく、腎臓、リンパ節、骨、脳など身体のあらゆる部分で病巣をつくることもあります。
2週間近く症状が続く場合は、かかりつけ医または呼吸器科を受診しましょう。知らないうちに罹っていることもあるため、症状がなくても、年1回はレントゲン検査を受けておくと安心です。発病した場合は、6か月から1年間、3~4種類の薬剤を内服する治療が基本で、2週間程度きちんと内服していれば他の人への感染はほぼなくなりますので、早めの受診を心がけてください。
感染しない・発病しないためには、普段から免疫力を高めておく必要があります。ウォーキングなどの有酸素運動は呼吸筋を鍛え肺年齢の強化になるため、今よりプラス1000歩を意識しましょう。バランスのとれた食事と十分な睡眠で、規則正しい生活を心がけてください。肺に直接負担のかかる喫煙はリスクが高いため、今すぐ禁煙にチャレンジしましょう。がんや糖尿病などの生活習慣病のある方は結核の発病率が高いため、生活習慣病の予防も大切です。