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暑い季節の歯周病対策(2019年6月)

歯周病は、口の中の慢性の炎症性疾患で生活習慣病の一つです。細菌によって歯肉に炎症を引き起こし、やがては歯を支えている顎の骨を溶かしていく病気です。口腔内にはおよそ500種類の細菌がすんでいて、不十分なブラッシングや過剰な糖分摂取が原因でプラーク(歯垢)を作り出します。プラーク1ミリグラム中に約10億個の細菌が存在し、粘着性が強いためうがい程度では落ちず、放置すると硬くなり、歯磨きをしても取り除けない歯石となって歯の表面に付着します。40歳以上の約8割は歯周病にかかっていると言われていますが、年齢に関係なくどの年代でも増加しています。最も進行した状態が歯槽膿漏で、早急な治療が必要となります。

夏バテによる食欲不振や疲労は、唾液の分泌量が少なくなるため歯周病を悪化させます。唾液は口内の洗浄作用や抗菌作用があるため、体調管理と唾液腺マッサージや口の体操等で唾液の分泌を良くしておきましょう。歯周病菌が血液中に流れ込むと動脈硬化を促進し、血管を詰まらせ狭心症や心筋梗塞をおこすこともあるため注意が必要です。

バランスの良い食事は基本ですが、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、カロテンが豊富な緑黄色野菜や果物を意識して摂りましょう。歯や骨の材料になるカルシウムやマグネシウムを多く含む乳製品・大豆製品・ナッツ類もお勧めです。歯1本につき1分間を目安に、ブラシを小刻みに動かす歯磨きが大切です。やわらかめの歯ブラシを鉛筆持ちし、やさしく磨いて下さい。予防だけでなく、中程度の歯周病であればほとんどが治癒するため、かかりつけ歯科医をもち定期的にプラーク除去などのクリーニングをしてもらうと安心です。歯茎の血行を悪くするため、禁煙は必須です。

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