健康の維持こんにちは保健師です!
脳動脈瘤(2023年2月)
脳動脈瘤は、大きな血管の枝分かれの部分にできることが多い動脈に発生する膨れたコブのことです。通常は無症状ですが、大きくなると脳や神経を圧迫して頭痛やしびれなどの神経症状が出ることがあります。コブの中にできた血液のかたまりが詰まると脳梗塞を、コブが破裂するとくも膜下出血をおこします。
くも膜下出血は1万人にひとりの割合で発症し、動脈瘤の破裂率は年間1%といわれていますので、100人にひとりが未破裂動脈瘤をもっていることになります。治療については、コブの大きさが5~7ミリ 以上や不整な形、発生した場所(眉間の奥にある前交通動脈や目の奥にある内頚動脈後交通動脈分子部等)、自覚症状及び基礎疾患の有無や家族歴等を考慮し、必要性を決定します。破裂する要因としては、喫煙や大量飲酒、高血圧などがあげられます。くも膜下出血は40~50歳代にかけて発症率が高くなります。危険因子をもっている方は、50歳前後で脳の検査をしておくと安心なため、かかりつけ医に相談しましょう。また、動脈瘤がみつかったら定期的に検査を受けておく必要があるため、脳ドック等で偶然みつかった場合も、放置せず必ず受診するようにしてください。
禁煙は基本です。一日でも早く禁煙できた方が発症の予防につながります。一人で禁煙に取り組むよりも禁煙外来などを利用すると無理なく成功できます。減塩や適性体重の維持など高血圧予防の規則正しい生活を心がけましょう。ご自宅での血圧測定を習慣化し普段の血圧を知っておくとともに、年1回は健診を受診しコレステロールや血糖値など血管を傷つける他の要因がないか確認しておくと安心です。内服による血圧のコントロールも大切ですので、早期の受診を心がけましょう。