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認知症と生活習慣病(2023年6月)
認知症のうち、アルツハイマー病は、脳内にアミロイドβという異常たんぱく質が蓄積し脳の神経細胞の働きを低下させるために、物忘れがひどくなる記憶障害や、時間や場所がわからなくなる見当識障害、今まで出来ていた物の使い方が分からなくなる実行機能障害などの症状があらわれる病気です。肥満症・糖尿病・脂質異常症は代謝が悪くなる疾病のため、アミロイドβの排出を妨げアルツハイマー型認知症の発症が1.5~3倍高くなります。
血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などにより神経細胞が壊れて発症する病気ですが、高血圧症・糖尿病・脂質異常症は動脈硬化を促進させ血管にダメージを与えるため、血管性認知症も起こしやすくします。特に高血圧症では2.4倍から10倍、糖尿病では健康な人と比較して2.1倍の発症率があると言われています。
予防には禁煙と減塩が効果的です。ウォーキングなどの有酸素運動は、脳内の血流が良くなるため、1日30分・週3回以上が効果的です。ラジオ体操は、音楽を聴いて内容を理解しタイミングをあわせて身体を動かす頭をつかった全身運動のため、お勧めです。野菜・海藻・きのこ類を毎食しっかり摂り、1週間のうちで肉より魚の献立を多くすると血液サラサラになります。バランスの良い食事でも食べ過ぎでは肥満につながりますので、腹八分目を心がけましょう。脳の活性化のためには、よく噛んで食べることも大切です。毎年必ず健診を受診し、体重・血圧・血糖・コレステロールの値を確認し、数値が少しあがった時にすぐに対応しておくと安心です。生活習慣病は、早めの内服が血管への負担も少なくてすむため、健診を受診された結果、要医療の判定が出た方は、早期に受診することも大切です。