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若くても誤嚥性肺炎に気をつけて(2024年1月)

 喉の奥は、空気を肺に送る気管と、飲食物を胃に送る食道のふたつに分かれていて、食べ物や飲み物を飲み込むと脳が指令を出して喉頭蓋が気管の入り口を塞ぎ、食道に流れて胃に送られるようになっています。しかし、飲み込む機能が弱くなると、飲食物が気管に入ってしまうことがあり、これを誤嚥といい、誤嚥した物と一緒に細菌が肺に入って炎症がおこったものが誤嚥性肺炎です。死亡率が高い高齢者の肺炎のうち7割以上を占めているため、早めの対策が必要です。

 誤嚥自体は、食事中にむせる・咳き込むといった症状がみられますが、発熱・咳・濃い色の痰などの肺炎の典型的な症状は、誤嚥性肺炎では出にくいのが特徴です。不顕性誤嚥といって、就寝中に気管に

入る少量の唾液や胃液などでおこる誤嚥は自覚がないため、誤嚥性肺炎を繰り返すこともあります。

 食べ物を飲み込む機能が低下していないか、唾液を飲み込む動作を何回できるかでチェックする方法があります。30秒間で3回以上飲み込めれば正常、2回以下は誤嚥の危険性が高いと判断できます。予防法には、口の体操が効果的です。口を大きく開ける・口を閉じで奥歯をかみしめ口の両端に力をいれるなど、毎日行うと良いでしょう。

 口の中には嫌気性菌と呼ばれる細菌が誰にでもいるのですが、この嫌気性菌が誤嚥性肺炎の原因菌となります。口の中を清潔にしていなかったり、虫歯や歯周病菌がある人ほど嫌気性菌の数は多いため、若い人でも誤嚥性肺炎を起こすことがあります。就寝前の歯磨きをしない・早食い・食べたらすぐ寝る等の習慣のある方は、注意が必要です。むし歯や歯周病の治療だけでなく、年1回は歯科健診を受診し、歯の健康を保つよう心がけてください。

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