加齢と心臓病(2025年10月)

 人は動脈とともに年をとると言われています。加齢により動脈硬化が進行することで、心臓病の原因になることがあります。特に、虚血性心疾患と呼ばれる狭心症や心筋梗塞などは、突然出現して死に至る可能性が高い疾患です。
 加齢は心筋梗塞の最大の危険因子で、男性は女性の3倍高いといわれています。また、狭心症に特有の胸部圧迫感などの自覚症状がなかったり、多くの薬を服用している方の場合は、副作用等により病態が複雑になります。
動脈硬化の進行を抑制するために効果的なのは、運動です。特に、ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動やスクワットやかかと上げなどの無酸素運動(筋力トレーニング)の組み合わせは、血管機能を高め健康寿命の延伸につながります。それにプラスして、血液サラサラを意識し、魚や大豆製品などの良質なたんぱく質と野菜を毎食摂るよう食事にも注意しましょう。
高齢者だけでなく、高血圧があると6倍、糖尿病は5倍、喫煙で3倍の心臓病発症確率があがります。年をとってから気を付けるのではなく、若い頃からの健康的な生活習慣が大切です。
心臓発作の予兆は、キリキリ・ズキズキというはっきりした痛みではなく、何となく漠然とした痛みや締めつけられるような感じ、押さえつけられるような感じというふうに表現されることが多く、息切れや倦怠感のみを感じる場合もあります。いつもと体調が違うと感じた時は、早めにかかりつけ医を受診しましょう。