加齢と変形性膝関節症(2025年11月)


変形性膝関節症は、膝関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減っていくことで、炎症や変形が生じる慢性疾患です。膝への圧力を強める体重増加や日常生活動作の他、骨格や筋力の弱さ、ホルモンバランスの変化等の影響により、年齢を重ねた中高年層を中心に多くみられる病気です。
軟骨には神経がないため、初期では無症状のこともありますが、進行すると、痛み・腫れ・可動域の制限などの自覚症状がでてきます。膝痛は、立ち上がりや歩き始め、階段の上り下り時におこりやすくなるのが特徴です。さらに重度になると、関節の変形による歩行困難など、日常生活に支障をきたす場合もあります。進行のスピードは人によって異なりますが、少しずつ悪化さいていく進行性の病気のため、年のせいと放置せずに早めの対応が大切です。
もともと筋肉量の少ない女性は、閉経による女性ホルモン(エストロゲン)の減少やヒールの高い靴などの影響をうけますが、男性であっても、しゃがむ・立ち上がる・重い物を運ぶ・階段の上り下りのある仕事をしてる方も、発症確率は高くなります。また、若い頃から立ち仕事に従事している場合も、常に膝に負担がかかっていることで軟骨への圧迫が強まるため、注意が必要です。
前に脚を出した時に膝が伸びている正しい歩き方や片足立ちなどで大殿筋を鍛えておくと予防になります。立ち仕事の場合の対策としては、硬い床はなるべく避け、足元にクッション性のあるマットを敷く・スニーカーやインソール入りの靴を履いたり膝にサポーターをまく、また少なくとも1時間ごとに体勢を変える等を意識しましょう。業務終了後のストレッチやアイシングなども効果的です。