健康の維持こんにちは保健師です!(最新号)
虚血性心疾患の原因と対策(2025年3月)
心臓は、心臓の筋肉(心筋)が1日に約10万回も収縮と拡張を繰り返して、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。心筋に酸素や栄養素を含む血液を送り込んでいるのが心臓の周りを通っている冠動脈という血管です。この冠動脈が狭くなったり(狭心症)、閉塞して心筋に血液がいかなくなったりすること(心筋梗塞)を心筋虚血といいます。虚血性心疾患における一番の危険因子は動脈硬化で、高血圧症・糖尿病・脂質異常症・喫煙・肥満等によって発症しやすくなります。
狭心症と心筋梗塞の違いは、締め付けられるような痛みが15分以上続くかどうかがキーとなり、必ずしも痛みは心臓ではなく、肩や首、奥歯や喉の痛みを感じる場合もあります。心筋虚血により心筋の収縮力が弱まり、動くと息切れがしたり浮腫などの症状がでたり(虚血性心不全)、致命的な不整脈(心室細動)を引き起こすこともあります。
一度つまってしまった血管は元には戻りませんが、運動することでつまった血管の代わりとなる新しい血管がでてきます。ウォーキングやストレッチなどの手軽にどこでもできる運動から始めてみませんか。排便時にいきみすぎると血圧を上昇させ心臓に負担をかけるため、食物繊維の多い野菜の摂取やお腹のマッサージなどで日ごろから便秘予防に努めましょう。入浴は、熱いお湯は血圧や脈拍が上昇し心臓に負担をかけるため、39から40度のぬるま湯で長湯はしないよう心掛けてください。
健診を受診し血圧や血糖値等を確認するとともに、喫煙や肥満などは避けられるよう生活を見直すことが大切です。ちょっとした体調の変化をすぐに相談できる、かかりつけ医をもっておくと安心です。